《第一章》

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引っ越しを済ませ、鷹矢さん達が酔い潰れてしまった翌朝。 携帯の音で起きた鷹矢さんが受けた連絡は、私も前に聞いた事のある会社名。S社の専務さんからだった。 初めに立てた予算どうりにいかない等々……。 鷹矢さんは、その現場にも何度も脚を運んで現場の職人さん達と図面上では表現出来ない細かな事を伝えたり、話し合ったりしていて出張も決まっていた。その予定を早めて今日にでも来て欲しい。と言う内容だった。 だから…仕事で頑張っている鷹矢さんに「淋しい」なんていえない。 それに、結婚式がサプライズで私の友達まで来てくれた事に驚いた私に鷹矢さんは「郁未が手伝ってくれた」と、教えてくれた。実は、結婚の報告をしたい人が他にもいる…。 〈結愛〉の仕事が早く終わってしまう日に一人マンションに帰るのはやっぱり、淋しいので結婚の報告を兼ねて久しぶりに逢いに行く事にした。 それに、確かめたい事が出来たから…。まだ、鷹矢さんにも話していないんだけど……うん、やっぱり、ちゃんと確かめてから、それから鷹矢さんに話そう……。
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