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そんな事を言うと…。
みことは眉を下げて…困っているのだろう…。
俺から視線を外して下唇を噛んでいる。
「…フッ…」
みことの困っている顔を見たら、つい笑みが零れてしまった。そのまま、みことから手を離すと──
バッと勢いよく顔を俺に向けた。
「…ったかや、さん?」
俺が急にみことから手を離したから驚いたのか…。
だから、みことに笑いかけながら─
「みこと、何か食べに行くか!お昼になったらもっと人が増える…フッ…みことの好きなスイーツ売り切れたりしたら困るだろ?それに、そろそろアイツらも戻ってく!?…ッ……。」
……。
俺の話しを黙って聞いていた、みことに…口を塞がれた。
すぐに離れるだろうと思った、みことは…。
俺の肩に置いたままの両手を…ギュッ…。
…俺の首に廻してきた…。
暫く放心状態で固まってしまっていた俺が、みことの腰に腕を廻すと、みことは遠慮がちに俺の口内へと舌を差し入れてきた。
こんな場所で、しかも、こうゆう事をする事を恥ずかしがる、みことからされた事に…
…自分から『キスして』と、言ったはず、なのに…俺の方がドキドキさせられている。
すると…。
みことの唇が離れそうになったので慌てて、片方の手を、みことの頭の後ろへと添えて引き寄せると、ビクッと肩を縮こませて瞳をあけて驚いた、みことと目が合った。
フッ…。
角度をかえて更に舌を絡ませると─
「…っ……ん…っ!…」
鼻に掛かった様な声を漏らす…。
息が苦しくなってきたのか、みことが俺から何度か顔を反らそうとするのを、みことの頭の後ろに添えている手で阻止して更にキスを続けていると…。
小さく携帯の音が聴こえてくる…。
コウのヤツか?
…俺の番号をさっき教えたのに…みことの携帯が鳴っている。
そのまま無視していると…?
俺の携帯まで…。
みことが俺の携帯まで振動し始めた事に気づいた様で…俺の首に廻していたその手をほどこうとした。
──グィッ…
「…キャッ!?」
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