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何かあったのか、と心配そうな顔でこっちを見ている、みことに──
航平が倒れた事を話すと「…ぁ!?」と小さく声をあげてシュンと、俺のジャケットを軽く握って俯いてしまった。
「みことが気にする事、ないよ」
みことに笑いかけて、頭をポンポンと軽く叩くと「…でも…」と、やっぱり気にしているようだ。
──今朝
俺が、航平の脚を引っ掛けて派手にオデコを打った航平に、みことが冷却シートを貼り付けた時──
『こ、航平さん!? もしかして…ううん!ねつ!航平さんすっごい熱!!』
と──そんな事があって。
…それでも…アホな航平は『え!?』と、自分が熱を出している事にも気づいていなかった。
ま…。
航平のヤツ、自分が熱をだして気付かずフラフラしていた事は、今日だけじゃないしな。
確か、高校のバスケの試合の時も──て、今そんな事は、どうでもいいか、と。
みことを自分の膝の上から降ろして、俺もベンチから腰を上げ立ち上が───
あーー。
しまった…。
すっかり忘れてた。
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