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「で、鷹矢、お前いつまでここにいんの?」
「香川が明日には来る事になってるから、引き継いだら明後日には帰るよ。それより航平、お前…。」
「なんだよ」
「…いや。みこと元気にしてた?」
「ははっ。みこちゃんと毎日何度もメールのやり取りしてんだろ」
「……なんで、お前がメールの事まで知ってんだよ」
「そ・れ・は・俺が~みこちゃんとメル友だから~♪」
「………。」
俺が無言のまま航平から視線を、机の上に置かれている航平の携帯へ移すと、航平は慌てて自分のスーツの内ポケットへとしまった。
……別に航平が書いたアホな長文メールを読んで、みことが笑っているのなら…ただ…。
みことが航平にどんなメールを送っているのかは……気になる。
「…!?……ぁ。」
――ガタガタッ…
「………。」
……俺が、目の前にあるコーヒーを飲むために手を伸ばしたら、航平のヤツ…。自分のスーツのポケットを押さえて椅子ごと後ろへ逃げたな。
俺が携帯を取ると思った訳か?
「…航平…。」
「ん?な、なに……」
「俺に見られたらまずいメールでもあるのか」
「な、ないよ。あるわけないじゃん…」
そんなに視線をキョロキョロさせてか?ま、お前もだけど、みことの事も信じてるし、別に本気で何かあると思っている訳じゃない。
それより、他に気になっている事が2つ。
……、俺が黙って考え事をしていたら不安そうに、こっちをチラチラ見ている……最近気づいた事がある。たまに、みことと同じ様な行動を航平がしている…。
フッ…よし、俺が携帯を取ると思った罰だな。
「航平…、ここ、お前の奢りでいいよな?」
「はあ~!?なんでだよ。絶対、お前の方が高いじゃんか~!よし、割り勘にしよう♪」
「………。」
航平が頼んだのが【カツカレー】に対して俺が頼んだのは…この店の今日のおすすめランチメニュー【和牛やわらかステーキ御膳】
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