ただの落書き

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まだあの人たち、いるのかな。 もう授業始まってるのにな。 私は視線を机にやり、驚いた。 [なかなか似てるかも(笑)] と言う私のコメントのすぐ下に返信なのか、新たな落書きが増やされていた。 [やったー!力作!!!] これ、イタズラ・・・? 似顔絵の人と同一人物なのかな。 てか、読まれてたのか・・・ 恥ずかしいような、嬉しいような、なんとも不思議な感覚だった。 落書きにはまだ続きがあった。 [バージョンアップ!!!!!!] そう書かれて矢印が射す方を見ると、こないだよりも更にいかつくなった烏野先生が描かれていた。 それはもう似顔絵とは言えず、むしろ先生を小馬鹿にしたような絵だった。 ポイントはしっかりと押さえているのだけれど、なんか笑いのツボをついてくるような、でも憎めない、そんな絵だった。 私はその絵に矢印を向けて[やりすぎ(笑)リアルすぎて怖い]と落書きを残した。 その授業の帰り、渡り廊下を歩いていると、やっぱりあの先輩たちがいる。 この時間は昼休みをここで過ごすらしく、いつもの休み時間以上に騒がしい。 おまけにお弁当とかカバンとかを広げて座ってるから通りにくい。 そこをなんの気もなしに通る私を含めた1年生や、他学年もすごいと思うけど・・・。
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