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「(・・・・やりたくない・・・)」
まず先にそんな言葉が浮かんできた。
聞かされたさくらさんの作戦にため息が出る。スマホには打ち込まず、ココロの中でやりたくないなともう一度呟いた。しかしさくらさんには筒抜けらしい。
「やりたくなくてもやるしかないぞわんこくん。ここで親衛隊の力をなんとしてでもゲットしないと状況は絶望的だぞ。」
「(わかってるけど・・・)」
さくらさんは何か楽しそうだ。いつもだけど。
「(はあ・・・)」
親衛隊の、それも自分の隊員の子を騙すのは気が乗らない・・・。それにうまくいくかもわからないし・・・。
でも丁度いいかなとも思った。何か“罰”がないと落ち着かないから。
ずっと一緒にいて信頼関係を築いてきた自分の隊員の子を騙して裏切るのはすごく辛い。でも既に裏切っているし、もう後戻りはできない。ならいっそ堕ちるところまで堕ちていきたい。そうして辛い思いをすればきっと楽になれる。
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