一筋の道

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 幼い少女は目的もなく歩き始めました。  不器用に足をバッタバッタ動かして花を蹴散らしては道を作り出していきます。  すると、顔をなぞるようにヒュウッと何か通り抜ける感じがしました。思わず振り返ったりしてみましたが辺りは何もありません。  不思議がった次の瞬間。  さっきより強く、激しく身体に叩きつけるように押される見えない力が来ました。  思わず目を瞑り、手を前へ出してばたつかせます。  「わぁぁあ、な、なに!?」 思わず叫び声を上げていました。 その不思議な力に押されて、最後にはしりもちをつきました。  「ぷくくっ、面白~い!あなたそこまで風に戸惑うなんて、まさか普通じゃないって感じ取った?そうでしょ!」  「えっ?なに?」  突然声が何処からか聴こえてきます。 空を見上げると、そこには箒に跨がったピンクに赤に黄色といったグラデーションの長髪のポニーテールの少女がいました。  これがまた不思議なことに宙に浮いています。  「この風はねぇ。わたしが作ったんだ!」  「風?」  特徴的なテンション明るめの声で空飛ぶ女の子が話を進めます。  それに対して少女は澄んだ声でか細く問いただしました。  「そう!風!って、あれ?風を知らないの?」  「分かんない。」  はっきりと断言した瞬間、パッと女の子の顔がほころびました。  なぜでしょうね?  「風を知らないなんて相当な引きこもりと見た。」  何かしら推理小説のような雰囲気で呟きます。
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