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「わたしにとっての風はね、声なんだ。いつも何時も見守ってくれる優しい味方だよ。」
「味方?…………ぁっ。」
女の子が軽く指を払うと軽く緩やかに風が通り抜けて行きました。
「大丈夫って言っている気がする。」
「でしょ!でしょ!」
自慢気に女の子は胸を張って言います。
しかしその時女の子は別の所を見ていた。
それは、ここから一番近くにある木々の隙間。そこに大小異なる人影がありました。
あっ、一番近くと言いましても1kmはあるような近さです。
「また、今度話とか聞いて良い?ちょっと忙しいから。また今度ね!」
また今度また今度と繰り返しながら立ち去って行きました。
小さく大空へ消えていく彼女をただ呆然と見送りました。
自然の風が蹴散らしてしまった花びらを飛び散らせていきます。
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