第一章

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はじめてきた都会の駅は大きくて、 「乗り換えまでは送っていくわ」 と言ったママのことを強引に断ったことを心底後悔した。 見えないロープにそって、軍隊のように歩いて行く人の群れに飲み込まれてしまい自分がどこに向かっているのかもわからない。 そもそも自分がどちらに向かえば正しいのかすら定かではないのだ。 荒波からほうほうの体で抜け出すと、私は壁にピタリと背中をつけてため息をついた。 予定ではここで軽食をとって、それから乗り換えることになっていた。 だけどもううんざりだ。 軽食屋さんを探して、さらに乗り換え先まで辿り着くなんて私にできるわけがない。 食事は列車の中で何か買うとして、とにかく予定の時間までにホームにつかなければ。 私は背中の壁に描かれている構内の地図を真剣に見てルートを確認した。 そして、多分はじめて飛ぶことになった鳥のように勇気を出して、また人ごみに飛び込んだ。
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