プロローグ

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私の名前は、鈴城 花菜(すずき はんな) 。 今、私は上原 直弥(うえはら なおや) と付き合っている。 そして、ずっと憧れだった音楽専門学校へ通っている。音楽だけを勉強できる学校。 ここには、何でも話し合える親友がいる。 山口 弓子 (やまぐち ゆみこ) 岡部 巴江 (おかべ ともえ) 私は、この三人に助けられて…何とか生きている。 今まで実の両親に虐待や監禁をされてきた。 何とか家を飛び出し、住民票や戸籍を移動させ親子との縁を切ることに成功した。 最近になって、あの両親は何やら凶悪事件をやらかして逮捕されたらしい。 新聞には久しぶりに見る両親の名前…。 最悪な両親から生まれた私…。 嫌でも両親の血を受け継いでる訳であって、生きてる事が耐えられないくらいの恐怖に襲われる。 自分にも、あの血が流れている…。 こんな血筋の人間が生きている。 不可抗力の罪とも思えてくる…。 本当に…どうして私なんかが生まれてきたのだろう…。 消してしまいたい記憶が甦ってくる…。 この恐怖の度に思う事がある。 『 私、記憶喪失にならないかな 』 今、現在のリアルタイムから切り離された思考回路に陥っていた。 苦しみの…暗闇的フラッシュバック。 恐怖の渦から抜け出すのは至難の業であって… こうなると過剰なストレスから過呼吸を引き起こし、次第に呼吸困難になって意識を手放すのだ…。 意識が戻る頃には、大概は病院のベットの上にいて… いつも見舞いに、あの三人が来ているのが日常茶飯事だった。
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