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私は、気がつくと病室のベットに寝ていた。
「花菜、気がついたか?」
直弥が心配そうに私を見ている。
「うん…また心配かけちやったね」
「気にすんなよ」
「うん…。弓子と巴江は?」
何故か直弥は無言で首をふった。
何か嫌な予感がして…背中に冷や汗が流れていく。
「花菜…まだ、あの二人には言ってない。」
「どう…して…?」
「花菜に伝えたい事があるんだよ」
「伝えたい事って…何…?」
しばらく直弥は黙っていて…静かに口を開いた。
「…俺と花菜が…姉弟だって、DNA鑑定が出たんだよ。」
私は目を見開いた。
「私と直弥が…?……嘘。あり得ない。私たち、付き合ってるんだよね。もしかして……」
「別れたくないよな。俺も嫌だよ…」
二人の間に気まずい空気が流れていく。
しばらく二人は向き合ったまま固まっていた。
あり得ないよ…。やっと幸せになれると思ったのに…
酷すぎるよ…。
私は、瞳から溢れそうな涙を堪えるのが精一杯だった。
これから…どうするの?
直弥…別れたくないよ。
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