藤原

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「そこそこ。今年は、マキが芸能界に入るきっかけとなったオーディションが15周年目だから、目玉にマキの仕事復帰ライブをするの。その新曲を届けて欲しいの。マキは曲を聴いて歌詞を書くから速い方がいいでしょ?」 「分かりました。帰りに届けておきますね。」 「頼むわね。」 その後、七瀬の番号言われて。 軽いはずのボールペンが、ダンベル並みに重たく感じるくらい生理的にイヤだったけどメモって電話を切った。 電話する気になれなくて…。 結局、退社する直前になってしまった。 「ハァ~…。」 深か~いため息も出るわ。 しばらく腕組みしながら、電話とにらめっこ。 段々とキリキリ胃が痛んでくる。 考えてても仕方ないし…。 言う事だけ言って、さっさと電話切ろう。 ここで電話とにらめっこしていても、時間が過ぎてくだけだし。 マキの所にも行かなきゃ。 遅くなると悪いし。 暗示のように自分に言い聞かせた。 ♪♪♪♪~♪♪ 早く出ろ!!!! 何やってんのよ。 何コールしてるんだか。 暗示を掛けたはずなのに、コール音が鳴るたびに胃の痛みが増してく。
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