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もう休憩時間は終わったというのに、真ちゃんはまだ帰ってこない。
「木村ァ…お前んとこの軽トラ貸してくれや」
「ああ、丁度この前修理が終わったとこだ。パイナップル付きで貸してやる。
思う存分轢いてくれ」
笑顔で話す先輩達が怖い。切実に。
頬を冷や汗が伝う。
真ちゃん死亡フラグ建ってるから!
早く帰ってきて…
「センパイすみません、真ちゃん呼んできます!」
勢いよく頭を下げ、体育館の入り口まで必死に全力疾走した。
真ちゃん、マジで何やってんの!?
俯きつつ唇を噛む。
なんで鷹の目(ホークアイ)に遠見の能力がないんだよ…
自慢の目も、こういう時には役に立たない。
何やってんのか知らないけど、俺まで怒られたらどうしてくれんだよっ
***
…彼が彼女と出会うまで、あと少し。
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