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素敵な時間だった。 のどかで、温かく、幸せな時間だ。 だがある日、買い物に行って家に帰ってくると見知らぬ男が忍び込んでいた。 男は息子を抱えて逃げ去ろうとしたので、私は必死になって足にしがみつく。 中々離れない私に苛立ったのか、男は息子を高く振り上げた。 私の叫びはそれ以上大きな息子の金切り声に消された。 男は動揺する私を振りほどいて、外へ逃げてしまう。 私はパニックだった。
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