始まり

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それは、ふとした偶然から発見された。 深海から引き揚げられた、その物質は、今までの 元素のどれにも属さない物だった。 自分は、その物質に、高速の99%の速度の中性子を 当て、内部構造を調べる仕事を依頼されていた。 ところが、装置が故障したため、通常の4000倍の エネルギーで照射してしまった。 その事が、良かったのか、悪かったのか、その物質が 物凄く発光した。その時間1秒程度だったが、自分は、ノーベル賞 物だと躍起となった。 その時点では、事の重大性に気づいてはいなかった。 次の日、実験のビデオを確認していると、 奇妙な現象を確認した。 通常、発光することで、エネルギーの放出もあるのだが、 全く発生していなかった。 ビデオを見ると、発行体の、すぐ傍に、黒い物質が 映っていて、それが発行体のエネルギーを吸い取っている ように見えた。 自分は愕然となった。つまり、発行体はホワイトホールで、 黒い物質は、ブラックホール。 この2つを対で作ってしまったらしいのだ。 但し、非常に小さいため、寿命も短かったことが幸いした。
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