捕らわれ姫(完結)

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桜が咲き乱れる季節、高校入学と同時に私の人生は積み木が崩れるように脆く崩壊する。 「結花、お前は私達の子ではない。姉の蕾とは血が繋がってないんだ」 父は入学式を終えた私を車に乗せ、何処かへ連れて行く車内で悩みもせず真顔で私に伝える。 驚きすぎて返事出来ないで居ると姉の蕾がクスッと笑い私をよそ者の瞳で見る。 母は私達を救ってくれる子なんだからよしなさいと姉を怒るけど、私の存在は全て、この為にあったのだと思いしらされる。 「相手は神崎病院の息子さんだ。結花もきっと気に入ると思うよ。もちろん気に入らなくても分かってるよね?」 一瞬車内に電流が走ったようなピリッとした空気になり「はい。分かってます」と言うしかなかった。 高校に入ったら恋をしよう。そう思ってたのに、どこの誰だか知らない人の強制的彼女になるなんて…… 婚約者じゃないのには理由がある。それは病院息子に気に入られ、彼が望んだ相手が彼と結婚するかららしい。
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