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むしろあいつが私が身を削って落とさなくては行けない相手だと思うと鳥肌が立つ。
「初めまして、神崎蒼空と申します。こんな僕の為に集まってくれて感謝してます。そんなに頑張らないで、普通で構いません」
そんな、神崎蒼空の言葉に私は違和感を覚えた。猫かぶりが多い中学校だったから分かる。あいつは紛れもなく悪魔。そう直感した。
「大変申し上げにくいのですが、ここから絞らせて頂きたく、一回退室致します」
そう告げると彼は先程入ってきた扉に向かい去る。
彼が後にした瞬間、感想を言い合う女達は次第にライバル視し、目つきを変える。
女も男で変わるのは否定出来ないけど、どうもあの男は好きになれそうにない。
「結花、素敵な人だっただろ?私は別室の神崎さんに挨拶してくるから、大人しくしてるんだよ」
……つまり逃げ出すなと。
言われなくても逃げませんよ。ふとこの部屋の違和感にも気になった。
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