第6章

2/29
250人が本棚に入れています
本棚に追加
/169ページ
大学内の食堂で、今までの涼子との出来事を思い出していた。 あれから陽子さんと皐のバトルでややこしい事件に決着はついた。 その後、陽子さんがアメリカへ行く為、空港に見送りに行くことになり、涼子も色々と整理することが出来たみたい。 『京香さん、さっきからため息しかでてませんよ?』 横から皐が小さめな声で私に話しかけてくる。横目でチラッと見て、皐の反応を観察した。怖いモノを見る目をしている。 「出てないわよ!きっかけがあんたと思うと、ため息以上のモノがでるから」 『えっ!?そんなに涼子さんが好きなの?』 「は?なんでその発想に行くわけ?」 『だって‥陽子さんを見送った後に仲良く二人で帰ってたから。涼子さんの秘密も先に知ったし、それなりの仲じゃないと教えないよ』 カップの中にあるココアに口をつけて、目線を奥にやり、涼子の秘密について考える。 確かに涼子にとっては重要なこと。それから距離が縮まったような気がする。 「その秘密のおかげで、初めて女に抱かれたけどね‥あっ!」 無意識に言ったことに気づき、急いで辺りを見たが誰も聞いていなかった様子。隣のバカに目線をやると、予想通りに固まっていた。
/169ページ

最初のコメントを投稿しよう!