第6章

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『考え過ぎてもマイナスな方向にいくよ?私に良い考えがあるんだけど、やってみる?』 皐の言葉に反応する。首席と言われる程、頭の回転が早いとこんなときに思ってしまった。 「何よ?変なことを考えてないでしょうね」 『そんなことしないよ。椿にも協力してもらって、すき焼きパーティーしない?』 「は?なんですき焼きなのよ?」 『だって、京香の好きなモノだから。それに見た目と違ってかなりの大食いでしょ?好きなモノを食べて話す機会があれば、リラックス出来ると思ってね。』 変な気遣いだわ。 すき焼きを食べながら話すって、大人な椿さんや涼子からは想像がつかない。 たくさん食べている姿を好意がある人に見せるって、抵抗あるわよ。 『あ!ちなみに椿もすき焼きが大好きでお肉5人分くらいたべるから』 「えっ!あの椿さんが!?」 クールな椿さんからは本当に想像がつかない。 マグカップをテーブルに置き、ため息をつく皐。 『そうなんだよ。すき焼きの日に限っては張り切って高いお肉を大量に買ってくるの。一緒に買い物に行かないと、お財布が持たない』 まるで、熟年夫婦の会話に聞こえる。 皐の提案に対しては興味がある。 このまま、微妙な距離で過ごすのも気持ちが不安になっていくだけ。 「分かったわよ。私から提案したら不自然になる」 『大丈夫。椿の提案として、マスターの店で飲み勝負のお詫びみたいな理由をつければさ。』 「私の提案?」 『「えっ!」』 落ち着いた聞き覚えのある声。 私と皐は、後ろを素早く振り返るとそこには‥
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