250人が本棚に入れています
本棚に追加
/169ページ
「うっ…うるさい。話してくれて、あ…」
涼子は大田 椿の秘密を話した。
この瞬間から私と涼子の関係性は…
視線を落として、軽いため息をはいた。暖かい何かが、私を包んだ。
「今、悪いことを考えたでしょ?言葉より行動派だから、このまま帰すわけにはいかない」
爽やか笑顔で私を抱き締める涼子。
抱き締められたまま、私をゆっくりとベッドに押し倒した。
「ババカなの!?私はあんたのことなんて…!強姦罪で訴えるわよ!」
必死に抵抗したけど、爽やか笑顔のまま、涼子は私の上にいる。
高熱がある人間に対して、何しているのよ、このハーフは!
「熱があるから大人しくしなさい。しかし、熱でグッタリとしている京香も中々セクシーだね。首筋なんてどうかな」
言いながら私の首筋に近づき、小さな息がかかってくる。
抵抗したいけど出来ない。
受け入れてしまう自分がイヤだ。
「ヤッ…やめてよ」
つい甘い声が出てしまう。
涼子は視線を横にずらして、小さな独り言をつぶやいている。
「本当に止まらなくなる…」
私の上からゆっくりと離れて、横に移動して添い寝状態で抱き締めてきた。
「私は離れないから。京香を追いかけて必ず手に入れるから覚悟しておいて下さい。」
余裕のない表情から爽やか笑顔に戻った。添い寝状態になり、抵抗する体力が残っておらず、抱き締められる形を許した。
「平気で恥ずかしいことを言わないでよ!私は……」
言えない。今、涼子に対して背を向けている体勢…顔が熱いところを見られたくない。
「どうして背を向けるんですか?フフッ…そんな京香も可愛すぎる」
イタズラな口調で私の耳元にわざと話してくる。
「うるさい!熱を出してまで待ってたんだから、なんか奢りなさいよ」
耳がまっ赤なはず。
心がフワフワと軽い。
涼子との関係が続くことに、どこか期待していた。
「可愛すぎますね、京香」
落ち着いた口調がやけに耳に残る。
悪くない3日間。
最初のコメントを投稿しよう!