第3章

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「うっ…うるさい。話してくれて、あ…」 涼子は大田 椿の秘密を話した。 この瞬間から私と涼子の関係性は… 視線を落として、軽いため息をはいた。暖かい何かが、私を包んだ。 「今、悪いことを考えたでしょ?言葉より行動派だから、このまま帰すわけにはいかない」 爽やか笑顔で私を抱き締める涼子。 抱き締められたまま、私をゆっくりとベッドに押し倒した。 「ババカなの!?私はあんたのことなんて…!強姦罪で訴えるわよ!」 必死に抵抗したけど、爽やか笑顔のまま、涼子は私の上にいる。 高熱がある人間に対して、何しているのよ、このハーフは! 「熱があるから大人しくしなさい。しかし、熱でグッタリとしている京香も中々セクシーだね。首筋なんてどうかな」 言いながら私の首筋に近づき、小さな息がかかってくる。 抵抗したいけど出来ない。 受け入れてしまう自分がイヤだ。 「ヤッ…やめてよ」 つい甘い声が出てしまう。 涼子は視線を横にずらして、小さな独り言をつぶやいている。 「本当に止まらなくなる…」 私の上からゆっくりと離れて、横に移動して添い寝状態で抱き締めてきた。 「私は離れないから。京香を追いかけて必ず手に入れるから覚悟しておいて下さい。」 余裕のない表情から爽やか笑顔に戻った。添い寝状態になり、抵抗する体力が残っておらず、抱き締められる形を許した。 「平気で恥ずかしいことを言わないでよ!私は……」 言えない。今、涼子に対して背を向けている体勢…顔が熱いところを見られたくない。 「どうして背を向けるんですか?フフッ…そんな京香も可愛すぎる」 イタズラな口調で私の耳元にわざと話してくる。 「うるさい!熱を出してまで待ってたんだから、なんか奢りなさいよ」 耳がまっ赤なはず。 心がフワフワと軽い。 涼子との関係が続くことに、どこか期待していた。 「可愛すぎますね、京香」 落ち着いた口調がやけに耳に残る。 悪くない3日間。
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