Memory.1 ハジマリ

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「ここにいてもつまらないだろ?遊びに行こう?」 「でも、葬式は?お兄ちゃん行かなきゃでしょ?」 キョトンとした顔をして。 静かに入ってくるお兄ちゃんを見つめた。 「バーカっ!!紗羽は生きてるのに、どうして葬式なんか出なきゃいけないんだ?」 「でも、あたしはいらない子だから…。」 小さな小さな胸が、チクンと痛くなる。 分かり切ってたのに。 言葉にすると胸にトゲが刺さるみたいに痛い。 だから。 お兄ちゃんの顔から視線をそらしたのも、それを悟(さと)られないため。 「いらないなんて、俺は言ってないよ?さあ、行こう。」 そう言って差しのべられた手が。 とても温かくて。 離したくなくて。 ギュッと握りしめた。 …でも、家族からはその日から。
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