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…あぁ、バカだな。もう。ホント。
ふっと笑いが込み上げてきた。
もう一度ギュッと彼女を抱きしめる。
「もう。淋しかったのはそっちでしょ」
そう言いながらも、腕は僕の背中にギュッと回されてた。
「そうだよ。淋しかった。ホント。不足分、これからしっかり補わなきゃ」
「えっ」
「手、貸して」
「手?」
きょとんとした顔で僕を見上げる彼女。
指を絡め、ギュッと握ったその手の温もり。
「本番まで怪我しないように。願掛け」
そっと唇を落とす。
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