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ずっと、これから先も、この手の温もりを離さずに。 「…私、頑張るから。向こうでも名前くらい覚えてほしいじゃない?」 指先にギュッと力がこもる。 「うん」 握り返しながら、じっと彼女の方を見つめた。 いつもずっと、遠かった。 届かない。 そう思っていたその手は、今この中にある。 そして― 「一緒に頑張ろう」 本当はずっと、並んで歩いていける距離にあったのかもしれないって。 今ならそう思えるんだ。
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