1334人が本棚に入れています
本棚に追加
ずっと、これから先も、この手の温もりを離さずに。
「…私、頑張るから。向こうでも名前くらい覚えてほしいじゃない?」
指先にギュッと力がこもる。
「うん」
握り返しながら、じっと彼女の方を見つめた。
いつもずっと、遠かった。
届かない。
そう思っていたその手は、今この中にある。
そして―
「一緒に頑張ろう」
本当はずっと、並んで歩いていける距離にあったのかもしれないって。
今ならそう思えるんだ。
最初のコメントを投稿しよう!