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だから、これから先もずっと。
そばにいてよ。ユカリ。
「…続き」
そう言って首筋に顔を埋めると、やだ、とユカリは笑った。
「ダメ」
「なんで」
「なんでって―」
「いいじゃん」
もー…と半ば呆れる彼女の手を引いた。
リビングの扉を開けると、柔らかな陽射しが部屋の中を満たしていた。
静かにそこに佇むグランドピアノ。
僕らをつないだ音。
そのピアノの前で立ち止まると、ポーンとAの音を鳴らした。
「…ただいま」
小さくつぶやいた僕の声は、Aの音とともに部屋の中に溶けていく。
「おかえり」
長い間、僕がほしかった言葉をユカリはいつも何でもない事のようにくれる。
そしてそれはきっとこの先も変わらない。
ありがとう、ユカリ。
僕のそばにいてくれて。
ここから先も、またよろしく。
そんな想いを込めて、彼女の手を僕はしっかりと握りしめた。
end.
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