3、今夜、最終便にて

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はじめて知る彼の体温は 暖かいっていうより、 ちょっとだけ いや、かなり熱くて 「もうすぐ終電だねー。」 川野くんは 私の右耳のすぐそばにある唇で ぽつり、と呟いて 「そ…だね 、 かえ…る?」 カチン、コチンと固まったままの私に 耳から全身に回るような  はぁー、なんて 甘いため息を送り込んできて 「……誰が帰す、 なんて言った?」 抱きしめる腕に少しだけ力を込めた 今夜、最終便にて………end
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