始まりは終わりですかね?

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平行世界(パラレルワールド)。それは、ある分岐点から枝分かれを繰り返し無限に広がる世界。 簡単に言ってしまえば「もし、あの時」と思う世界が無限にあると云うこと。 無限にある世界。そこに住む住人は他の世界に気付かず一生を終える。 いや、知っている方が可笑しいと言えるだろう。何故なら、平行世界は次元と呼ばれる壁で遮られ世界同士の接触は無に等しいからだ。例外で知っている住人はほんの一握りしかいない。 その一握りの者は【勇者】と呼ばれていた。 そして、勇者達の中の極僅(ごくわず)かから、更に【英雄】と呼ばれる者達が居た。 彼らは元々、別の世界に住まう住人だったがもう一つの世界に喚(よ)ばれ、喚ばれた世界に骨を埋めて逝った。 喚ぶ世界に共通するのは【魔法】と呼ばれる不思議な力が存在する事だ。対して、喚ばれる世界の住人は無差別に喚ばれた。 ~天界図書塔 第三級書物【平行世界ノ理】5頁(ページ)~ 【英雄】と呼ばれた数人の勇者たちの中に一人、特殊な英雄が居た。その人物は【桜】を心から愛し武器とした。人々からは【蒼桜(そうおう)の奏演者】と呼ばれ慕われ、敵からは【桜の武奏者(ぶそうしゃ)】と呼ばれ畏れられた。 そして、その人物は【天桜國咲神(あめのさくらくにさき)】と桜を司る神となった。 ~天界図書館 第一級書物【天桜國咲神】要約~ その人物の名は【神鵺(かみや) 靈歌(れいか)】。 桜と桃を愛した男の摩訶不思議な体験記である。
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