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２年Ａ組の教室に入ると、数人の女の子がすごい勢いで走ってきた。
「どうしたの？」
「今日、転校生が来るんだって！」
「転校生？」
カバンを置きながら、みんなの必死な顔を見て首を傾げる。
誰かが転入してくると聞いてわくわくするのは分かるけど……
「男の子だって！」
「超かっこいいんだって！」
「もう見た子がいるんだって！」
一斉に違うことを言われ、処理出来ずに固まる。
えっと、男の子が……？
「その転入生を見た子によると、超かっこいいんだって！」
クラスメイトの花音(かのん)が１文にしてくれたおかげで、やっと理解できた。
「そうなんだ」
いまいちリアクションの薄いわたしを見て、みんなは不満そう。
「陽奈には彼氏がいるもんねー。橘以外の男子には興味ないんだねー」
「っ。そんなんじゃないよ」
花音と同じようにわたしを冗談混じりで睨む子の中には、彼氏がいる子もいる。
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