第 十一 魔『人間界』

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弦の付け根を思いっきり蹴りを入れた。 硬く見えてたけど、意外と柔らかくて付け根はくにゃ~と曲がった。 ダメージが大きかったのか、「キシェ~」と声をあげながら激しく揺れる。 …わ 弦が喚いたよ。 びっくりー 「火か明るいものがあればいいけど…」 「え?」 「あれは弦。形が弦でも闇の者…闇は光に弱く、敵わないもの…そして 弦は木の弦…」 闇は闇 弦は弦…ってこと? 闇に弱いものは光…… 弦に弱いものは火……? まあ木だしね。 「けど明かりなんてねぇし、火もねぇこの何もない場所でどうしろと?」 燎の言う通りだ。 今私達の居る所は何もない。 それに台風が近づいて強風が吹いてるせいか、電灯が消えてる。 辺りは微かに暗いし… 「…ナル…ルクナル…」 春ちゃん? 今喋った? ルクナルが春ちゃんに近づく。 そして春ちゃんは血まみれの手をルクナルに差し出すかのように伸ばした。 「血を…ワタシの血を…使って…」 なっ!
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