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~第二話~
真っ白の天井。
消毒液の匂い。
………………えっ?ここどこ?
確か、クラス分けの表見てて……
あっっ!!入学式!!!!!
慌てて腕時計を見る。
もう入学式は始まっていた。
いつの間にか寝かされていたベッドから飛び起きる。
ーーシャッ!
「バタバタうるさいわね!あ、やっと起きたの?」
カーテンを思いっきり開けて、私の方に近付いてきた人はとってもスタイルのいいお姉さん。
「あの、ここどこですか?」
「どこって……保健室よ。」
保健室?
……あ、私倒れたんだ。
「あんた1年でしょ?早く行かないとヤバいんじゃないの?」
「はい、そうなんですけど……」
さっきの飛び起きた衝撃で頭がグラグラしている。
「あ"~~もう!めんどくさいわね!!私が体育館まで運んであげるわよ!!!」
そう言うと、軽々私を持ち上げる。
「さっきも思ったけど、あんた軽いのね。ちゃんとご飯食べてるの?」
「今日は………」
「だから貧血なんて起こして倒れるのよ!余計な仕事増やさないでよね!」
そんな話をしながらスタスタと歩き出すお姉さん。
……1番聞きたかった事、聞いてみようかな。
「…あの~、」
「ん?何よ?」
「お姉さんってどなたですか?」
「…………もっかい言って?」
「…どなたですか?」
「違う。その前。」
「……お姉さん?」
「まだお姉さんよね!?良かったぁ~!ほら、私もこの歳じゃない?ちょっと心配だったのよね。」
突然すごい勢いで喋り出すお姉さん。
……幾つなんだろうな。
「お姉さんは先生なんですか?」
「そりゃそうでしょ。こんなとこにいるんだから。」
「あの、何てお呼びすれば……」
「私は別にお姉さんでもいいけど。一応名前は久遠紫音ね。」
「可愛いお名前ですね。」
「そんな褒めたって何も出ないわよっ////!ほら、着いたから静かにしなさい!!」
少しだけ照れた様子の久遠先生にお姫様抱っこされながら、体育館に入った。
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