第1章 連弾

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「…なんで、やめちゃうの…?」 恐る恐る聞いてみた。 本当のことを知るのが怖いのかもしれない。 何か突拍子もないことを真司が言いそうで、 彼の腰に回している腕に力をいれて、 目をギュッと瞑った。 「…そんなに深刻な理由じゃないんだ」 「ただ、部活をはじめて時間がなくなって、 親もやめろ、て言ったから」 …え… それだけ? 私はどんな答えを期待していたのだろう。 ただ、あまりにも普通すぎる答えにかける言葉を探していた。
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