第2章 事実?

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やっと会えた。 たった数週間なのに長かった。 「…何か用事があったの…?」 「玲那に会いに」 …え? ほんとうに? 「…あのさ、土曜日、空いてる?」 …これは世間で言うデートの誘いというものですか? 私の胸は今にも爆発してしまいそうな勢いで動いている。 「…あ、特に深い意味はなくて。 先輩らが誰か女子を連れて来いってうるさくてさ」 「…同じ学校の子の方がいいんじゃないの?」 「いや、同じ学校の子はほぼみんな応援に来るし。」 あぁ。 なんだ。 デートでも特別でもなかったんだ。 私のさっきまでの心臓はいつも通りに戻っていた。 「…うん、いけるよ」 それでも。 彼を見ることができるなら、 そんな気持ちで私は答えていた。
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