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「2ヶ月…か…」
母親と佐渡先生がいなくなってからどれだけたっただろうか。
ずっとぼーっとしていた。
することもないしテレビも面白い番組がやってないから。
「暇だなぁ…」
「暇なの?」
「え?…誰?」
「びっくりさせちゃった?看護士の島崎里美です。よろしくね」
「あ、看護士の人ですか。よろしくです」
「点滴の時間だから静かにしててね」
「はい、分かりました」
失敗することなく針をさしてくれた。
「多分30分くらいだからさ」
「分かりました」
「名前は?」
「あ、宮崎祐介です」
「祐介君か…どうしたの?」
「あ、はい…朝、学校行くときに信号渡ってたんです。もちろん青になったのを確認してからです。その時横からトラックが来てるとはわからなかったんです。それで引かれたんです。」
「あらら、それは大変だね」
「それで肩と脚を骨折したんです。全治2ヶ月だそうです」
「そうかぁ…学校ってことは高校生なのかな?」
「あぁ、はい、高2です」
「あら、高校2年生なの?」
「はい、そうです」
「この病院にも…いやなんでもないわ」
「?」
「じゃあ点滴が終わるまで静かにしててね」
「分かりました」
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