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「屋上に行くの」 エレベーターの中で里美さんが言った。 「屋上?どうしてですか」 「行ってからのお楽しみよ」 「は、はぁ…」 行ってからのお楽しみって… なにがあるんだろうか… 「ついたよ」 「え?」 そこには1人の女性が立っていた。 年は同じくらいだろうか。 「この子は夕空(ゆら)ちゃんだよ」 「夕空…ちゃん…?」 「はじめまして、立花夕空です」 「宮崎祐介です」 「じゃ、頑張ってー」 ニヤニヤ笑いながら里美さんは戻ってしまった。 「え!ちょ!里美さん!」 はぁ…気まずい… 「何歳ですか?」 「あ、17です」 「同い年か…」 「立花さんも17ですか?」 「夕空でいいですよ。はい、17です」 「じゃぁ遠慮なく…ゆ、夕空はどうして屋上に?」 「里美さんに言われて。あ、堅苦しいの嫌だから敬語なしで話そ?」 「あ、うん。夕空も呼ばれたんだ…」 「うん、宮崎君も?」 「あ、祐介でいいよ。そう、部屋でぼーっとしてたら里美さんが来て車椅子でここに」
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