~工藤 潤一の場合~

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 やはり働いている時から貯金をして、ある程度貯まったら親に還元するべきだったのだろうか。もしそれが世の道理だとしたら、俺は親不孝者じゃないのか。  もしかすると俺は家の大黒柱などではなく、柱にすがりついている側なのではないだろうか。  そう考えているうちに手と思考が止まり、代わりに目に涙が溜まりだした。  そんな時、閉め切っていた部屋に引き戸をノックする音が響いた。
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