~工藤 潤一の場合~

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 あの日から2ヶ月が経った。  まぁこないだの日曜日に納骨を済ませてから、改めてハッと気付いたわけではない。  そんな事を考えながら、長男を乗せた車を小雨の中に走らせている、カーラジオで野球中継を聞きながら。  〝さぁ六回の裏ホークスの攻撃、打席には今日2安打の松田……″ 「ダディ、松田はランナーを返せるやろうかねぇ?」  後ろの息子が不意に話しかけてきた。 「まぁここで点取らな流れが悪ぅなるけんなぁ。返しきらないかんぞ、松田ぁ」  目の前の道路、また車に向かって軽くエールを送ってみる。  俺は工藤 潤一。今年で42歳になった。  去年の9月にようやく手にした仕事を辞め、今は就活中だ。  家族は後ろの長男と、家にいる妻と次男の4人だ。  もっとも、2ヶ月前に亡くなったお袋を含めれば5人だが。
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