~工藤 潤一の場合~

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 しかし今となっては工藤家のトップになった俺が、こんな事で悲しんでいては面目が立たない。ただでさえ定職に就けていないのだから、こんなことでへこんでいては尚更だ。  12年前に親父が亡くなった時はこんな事を考えてもみなかった。  しかしまぁ、12年とは長いものだ……。  そうこう考えている間に、家に着いた。  我が家は築40年の一軒家だ。家の入口がスロープになっていると思えば、湯沸かしのボイラーが勝手口の横にドンと置かれている。また防犯用のライトがあると思いきや、玄関は木造だ。  さて、家に入ったらすぐに夕飯だ。
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