プロローグ

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  だが勘違いしてもらっては困る。酷い点なのは他人から見たらの話だ。僕は今高校二年生で、このテストは二年生の一番初めに行われる中間考査というもので、一年生の最後に行われた学年末考査では、この点数を下回っていた。  まあ学年末考査の点が悪かった理由はことごとく数少ない記号問題をはずしてしまった。僕のサイコロ鉛筆が通用しなかったのだ。   だから前回のテストの点数を上回った僕は気分がいい。自分で完璧と言えるだろう、前回の自分を越えたのだから。よく言うじゃないか、前よりも今がよければそれでいいと。   だが露中先生は額に手を当てながら大分悩んでいる様子だった。はて、ここまで悩む理由が僕には分からないな・・・・・ 「君は自分を正当化しすぎではないのか?」 「嫌だなあ先生、僕はこれでも落ち込んでいるんですよ」   だって追試テストがあるんだもん。 「そうは見えないのだが。後このテストの点はどういうことなんだ?」
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