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「私の心臓を売るから、だから」 お嬢さんの大声で、折角積み上げた心臓の山が崩れてしまった。 本当に珍しい物ばかりだってのに。 「私の心臓、貴重な鉱石で出来ているらしいの。そこの心臓に負けないくらい、美しくて高いんだって聞いたわ。今すぐ取り出して鑑定して」 ちょいと舌を伸ばせば唇に届いてしまいそうな距離まで顔が近付いていた。 あああ、何だか懐かしい状況だ。 「……もし本気ならば、望み通り買い取ってあげよう。でも、鑑定は必要ないよ。お嬢さんの心臓、売ったのは私なんだから」 私の言葉を聞いて目の前の顔が動くのを止めた。 目も鼻も口も眉も、動くのを止めた。
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