♯1 OKAYAMA 300km

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04/10 15:20 ■「岡山国際サーキット」 スバルブルーの塗装に彩られたスーパーGT用のBRZに乗り込む。 ロールバーが張り巡らされたコックピット内は様々なスイッチ類で埋め尽くされている。 レカロ製のバケットシートは僕の体をしっかりホールドしてくれる。 エンジニアがシートベルトのセットを手伝ってくれる。 「どうだい、憧れのスバルは!?」 優しそうな目尻をした梶谷監督が、エンジニアを退けるようにしてコックピットを覗いてくる。 僕はメインスイッチをオン、各種システムをチェックする。 「ははは、やっぱ緊張してる? 緊張してるの王子!?」 僕は構わず、無線の送信ボタンを押す。 「ピットロード」 『どうした王子?』 「無線チェック、オーバー」 『はいはい、頑張ってね』 一通りチェックは終わった。 「まあ、あれだ。最初なんだから、おもいっきりやってこい!!」 監督はドアをおもいっきり閉める。 あっぶなっ! ははは! 笑いながらピットに戻る監督。 レース開始5分前。 グリッドからマシンとドライバーを除く、全ての人の退去を促す鐘が鳴る。 目を閉じ、精神の全てを足と手に集中させる。
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