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レース開始1分前。
メインスイッチをオン、エンジンを点火する。
吹き抜ける音と共にボクサーエンジンが唸りをあげる。
この音を聞くと僕はたまらなくなる。
わくわくが止まらないんだ。
アドレナリンが一気に上昇。
戦闘モード。
シグナルが赤から黄の点滅に変わった。
全車、前の車に続いてゆっくり動き出す。
僕も前のBMWに続く。
この開幕戦岡山でスバルは予選5位、つまり前から5番目の位置からスタートする。
一番前の2台はアウディR8の最新型が独占。
その後ろにポルシェ、BMW、僕の乗るスバルが続く。
全車、マシンを左右に振ってタイヤに熱を入れていく。
レース用のタイヤは一般のタイヤとは大きく異なる。
大雑把に言うとレース用のタイヤと言うのは「溶ける」ようにできている。
レース用のタイヤが温まると表面が溶けるように設計されている。
溶けたタイヤ表面はガムテープの様な粘着力を発生する。
その粘着力が路面をしっかり捕まえることで、マシンは高速でコーナーを駆け抜けることが出来る。
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