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紙を読み終えると「コア」の文字で昨日の出来事を思い出した
―――――――
昨日は妹の16歳の誕生日。なので妹に似合うプレゼントを探していた。
たまたま通りがかったお店で、良さげなネックレスを買えた帰り道に奇妙な爺さんに声をかけられた
「そこの若いの。
コアに選ばれたようじゃよ。世の中に不満があるんだろ?」
「…コア?
まぁ、誰でも不満はあるだろ?国は戦争ばかりだし、貴族連中は腐ってるしね。」
「フフッ…。まぁ良いさ。コアを受け取りな。タダであげるからさ。」
爺さんは俺の腕を掴んで無理矢理に手の中に握らせると、すぐに路地裏の方へと消えていった
「ヘンな爺さんだな」
あまり興味は無かったが、良く見てみればコアと呼ばれた石は綺麗な黒色の水晶。
最悪、売ってしまえば幾らかの金にはなりそうだ
家に辿り着くと、普段より少し豪華な料理を作って待っていた妹へプレゼントを渡した
「ツバメ、誕生日おめでとう。これはプレゼント。」
「おかえりっ。
お兄ちゃんコレ…高かったんじゃない?」
プレゼントを開けたツバメが少し困惑した顔で尋ねてきた
「ちょっとな。
俺がソレをツバメに着けて貰いたかったんだから気にすんなっ」
妹の柔らかい茶色い髪を撫でて俺は微笑んだ
昔、よくアイツに言われたが俺は妹を大事にしすぎらしい
両親は戦争に巻き込まれ一昨年に亡くなった。そんな事情もあり、余計に妹には不自由はさせたくなかったんだ
それから二人で料理を残さずキレイに平らげる
片付けは妹が勝手出てくれたので、俺は少し疲れたのもあって部屋で身体を休ませる事にした
すぐにベッドで横になり、帰りに爺さんから貰ったコアをポケットから取り出して弄ってみた
すると何が切っ掛けになったのか突然、水晶が光出した
部屋中を覆い尽くす様なあまりに眩しい光に目を瞑ってしまった所から記憶がない
―――――――
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