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エンと別れてしばらくすると森の中に拓けた道が見えた。
(お?あれがエンが言ってた道かな?とりあえず道にでてみるか)
道と言っても石で舗装されているということもなく地面が剥き出しになっている。
(よし!この道に沿っていけば王都に着くのか。しかし体力も落ちたのかなー?少し歩いただけなのに体がだるいし…。ま、王都に着けば宿でも探せばいいか)
と、ここまで考えてからあることに気がついた。
(そういえば俺お金持ってねーじゃん!どうしよう…)
今更だった。
「しゃーない、異世界だしギルドくらいあるだろ。お金はそこで稼ぐか」
そう独り言を呟いていると前の森から人が数人飛び出してきた。
「よお、ねーちゃん可愛いねぇ。」
「変わった服着てるけどどこ出身かなぁ?」
「ぐへへ、俺らになんかめぐんでくれねーかなぁ?」
「といってもねーちゃんもいただくつもりだけどよぉ」
俺の体を舐めるように見ながら下品た笑いを浮かべる見た感じ盗賊風の四人。
(テンプレだな。でも実際目の当たりにするとこうまで気持ち悪いのか…。よし!こうなりゃ俺の初魔法の実験台にしてやろう!)
盗賊の一人がナイフを翳しながら言ってくる。
「抵抗しないほうが身のためだぜぇ?」
武器を持っている優越感からか自然と俺のほうが下に見られていることに腹が立ち、
「うるさい!この下っ派屑野郎!お前みたいなきったねぇ野郎は俺の魔法でさくっとたおしてやるよ!」
挑発してみた。
案の定俺の挑発を受けた盗賊は肩を震わせながら
「お前ら!やっちまえ!」
そう仲間に向けて叫んだ。
なけなしのプライドを傷つけられてご立腹といったところか。
どうやら俺に話しかけてきたやつはリーダー格だったらしくほかの盗賊たちに指示を出す。
(これぐらい俺の魔法を使えば訳ない…………あれ?魔法ってどうやって使うの?)
やっぱりバカだった。
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