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何故か私は嬉しい感情に似た感情と、一見、雑談ばかりだった弥生がオリエンテーションの話題に触れた事には代わり無いが、当社に興味を抱いたのでは無く部長である織田さんの名前が出た事に驚きと何とも言えぬ感情を同時に感じた。
織田さんは妻子持ちの最近異動して来た単身赴任の私の直属の上司である。私はと言うと織田さんと今日で顔を合わせるのは1週間目である事。どんな人柄かまだ分からない。なのに弥生は『同じ匂いがする』と。
咄嗟に私は弥生に『ええ~織田部長って香水してた?匂ったかな?弥生は隣に座ってる時仄かに良い香りがしたから香水つけてるのかな~って思ったよ』と答えた。すると弥生は『あはは。違うよ~!その匂いじゃなくて彼は私と同じ様に不倫願望があるって事♪私!一目惚れしちゃった(笑)私、おとす自信ある♪』と言い私に向かって可愛くウインクしたのです。
私には、織田部長とは年齢が一回り違うってのもあり、落ち着いた大人のイメージのある印象しか受けなかった。事務所のデスクトップには家族の写真が飾られ、家族想いの単身赴任の男(ヒト)にしか思えなかった。なので弥生の言葉に私は嫌悪感と警戒心を持った。
警戒心を持ってしまったのは初対面の私に、【おとす自信がある】と弥生は普通では考えられない・私には理解し難い言葉を重ねたからだ。 それだけでも度肝抜かれたのに明日から弥生と一緒に仕事をしなければならない不安感と不満感までもが私の脳裏を過った。
うっすらと頬を高潮させ『悪い男の予感♪裏がある男って惹かれる!昔の彼氏を思い出す。あっ!彼氏言っても私妊娠中だったから不倫ってやつね♪織田さんって何歳?どこに住んでるの?単身赴任って事は妻子は県外?』早口で私に質問交えに弥生は言う。
私は一瞬たりとも弥生の話題に興味を持ってしまった事に・今こうしてお茶をしている事に後悔と私自身に嫌気がさした。
弥生の言葉一つ一つ。に私の中の感性が拒否していたのだ。
弥生との価値観の相違と言うよりは、一緒に居る空間の中で私と弥生の廻りを包む空気の【温度差】がある事に敏感に悟ってしまった。
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