鳴り止まぬ携帯…。

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私に、緊張が走る。 ガイダンスから留守録内容に切り替わる間で数秒間がこの時は、長く感じた。 緊張する私を嘲笑うかのように聞こえて来たのは、『もっしも~し♪今どこ?渋滞して無い?まだ帰りたく無かったけど旦那がさ~…あれ?』と言うハッキリ言ってくだらない内容であった。 他の留守録を聞いても『今日夕飯何にするの?私はパスタよ♪●●のパスタなんだけど~』 『家に帰りたくな~い。空はお酒飲める?私は焼酎派よ♪』と弥生の一方的なくだらない内容が入っていただけである。 私は、拍子抜けしー携帯ーを放り投げた。 そのままソファーに身を預け目を閉じた。 『弥生』の残像が瞼の奥に焼き付いて、腹の下の方がモヤモヤして気持ち悪い。その不快感は苛立ちに変わった。 放り投げたー携帯ーがまた鳴り続いてる。それが誰からなのか?私には分かった。だから鳴り止まぬ携帯を脇目に放置。 数秒間止んだと思うと、またすぐ鳴り続いてはまた数秒間止んでまた鳴り止まぬ…エンドレス。 【五月蝿い】私は怒りに満ちていた。やっとの思いでー携帯ーに出た。相手はやはり【弥生】からである。 弥生は『やっと出た♪空は家に着いた?私は今スーパーに夕飯の買い物に来てるんだけど~パスタにしようと思ってたんだけど中華にしようと思うの♪空は、中華の何が好き?何したら良いか迷っちゃって…』マシンガンのように受話器の向こうで話始めた。 私は、話す気力も無く『忙しいから明日職場でね』と一言伝えて電話を切った。
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