0人が本棚に入れています
本棚に追加
私に、緊張が走る。
ガイダンスから留守録内容に切り替わる間で数秒間がこの時は、長く感じた。
緊張する私を嘲笑うかのように聞こえて来たのは、『もっしも~し♪今どこ?渋滞して無い?まだ帰りたく無かったけど旦那がさ~…あれ?』と言うハッキリ言ってくだらない内容であった。
他の留守録を聞いても『今日夕飯何にするの?私はパスタよ♪●●のパスタなんだけど~』
『家に帰りたくな~い。空はお酒飲める?私は焼酎派よ♪』と弥生の一方的なくだらない内容が入っていただけである。
私は、拍子抜けしー携帯ーを放り投げた。
そのままソファーに身を預け目を閉じた。
『弥生』の残像が瞼の奥に焼き付いて、腹の下の方がモヤモヤして気持ち悪い。その不快感は苛立ちに変わった。
放り投げたー携帯ーがまた鳴り続いてる。それが誰からなのか?私には分かった。だから鳴り止まぬ携帯を脇目に放置。
数秒間止んだと思うと、またすぐ鳴り続いてはまた数秒間止んでまた鳴り止まぬ…エンドレス。
【五月蝿い】私は怒りに満ちていた。やっとの思いでー携帯ーに出た。相手はやはり【弥生】からである。
弥生は『やっと出た♪空は家に着いた?私は今スーパーに夕飯の買い物に来てるんだけど~パスタにしようと思ってたんだけど中華にしようと思うの♪空は、中華の何が好き?何したら良いか迷っちゃって…』マシンガンのように受話器の向こうで話始めた。
私は、話す気力も無く『忙しいから明日職場でね』と一言伝えて電話を切った。
最初のコメントを投稿しよう!