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あたしは悩んでいた。
どうしようかって、悩みながら、窓の外を眺めていた。
夏も終わったというのに、まだまだ蒸し暑い夜が続く。寝苦しいあまり、夜になっても眠れないあたしは、窓を全開にして、部屋から外の風景を見渡していた。
なぜ、9月だというのに、エアコンをがんがんにかけている家が、あるのか。
なぜ、真夜中だというのに、大声で携帯電話でしゃべっている人間が、いるのか。
なぜ、エンジンをかけっぱなしの車が、マンションの駐車場に止まっているのか。
なぜ、何軒も向こうの家から、雑音にしか聞こえない「音楽」が聞こえるのか。
なぜ、どこからともかく、産廃の悪臭がただよってくるのか。
あたしは、外の空気にうんざりして、自分の部屋の中を見つめた。
なぜ、壁にかけている制服のスカートは、こんなに短いのか。
なぜ、机の上に、ストラップがじゃらじゃらついた携帯が無造作に置かれているのか。
なぜ、本棚には、参考書が整然と並んでいるのか。
なぜ、部屋の床には、雑誌が広がっているのか。
こんな風景にもうんざりした。
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