受験勉強×ピーターパン・ドリーム

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何もかも、いやになる。 エアコンを、みんながみんなかけるから、地球の温度が上昇しているのだろう。 大声出したり、エンジンかけっぱなしの車がいたり、爆音ふかせるバイクがいるから、 窓を思わず締め切ってしまう。 新しいものをどんどん作って、新しいものを手に入れ、古いものをすぐに捨てていくから、捨てるところがなくなっていくんだ。 携帯だって、いらない。 ファッション雑誌読んで、みんなと同じかっこするなんてあきあきしてきた。 もちろん勉強だってしたくない。 短いスカートもはきたくないし、髪だって茶パツになんてしたくなかった。 つけまつげで目を大きく見せるのもバカバカしい。 じゃぁ、なんでそんなことするのか? しないと、浮いてしまう。かっこつけてるとか、「おタカク」止まってるとか、陰口をたたかれる。  親は親で、そういうあたしを非難する。 「おねえちゃんは、そんなことしなかったのに。」 『そんなこと』しなかったら、「おタカク」止まっていると、陰口をたたかれる、あたしの気持ちなんて、親はわかろうとはしない。流行に付いていこうとしなければ「ビンボー」と囁かれる、あたしの気持ちなんて、7年前の女子高生にわかるわけない。ヒトとおんなじことをして、おんなじものを持っていなかったら、それだけでシカトされる世の中。怖いのは先生でも親でもなくって「ヒトリ」になること。  あたしみたいな人間がクラスにどれだけいるんだろう。もしかしたら、全員あたしとおんなじこと考えているのかもしれない。でも、現実は、そういうわけにはいかない。右のニンゲン、左のニンゲン、前のニンゲン、後ろのニンゲン。みんなとできるだけ同じようなかっこして、それでもって、同じような行動をしなくっちゃ、イジメラレル。  あたしだって、お姉ちゃんみたいに、昔の女子高生なら、こんな細かい悩み抱えずに学校に通ってた。  夏、勉強できないから、エアコンつけたい、なんて、言わない。だって、昔は、エアコンなくたって、夜眠れてた。窓あけてたって、近所の雑音まで、耳に入ってこないし、異臭もただよってこない「また、エアコンつけるの」なんて、小言を言われなくてもすむ。  今の時代は、不幸だ。  そして、これからはもっともっと、不幸になる。
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