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「あほちゃうか?」
「くる、るぴ!るぴ!!!」
???!????!????!
あたしは、まだ、開放されていない。
なのに、背後に声がした。
「な、何?!」
全身緑の服を着た、男…というより少年が、あたしのベッドの上に寝転んで、あたしを見つめていた。そして、その少年の頭の上に、インコくらいの大きさの、人形(?!)が腰掛けていた。いや、それは人形ではなかった。動いている。透き通ったカゲロウのような羽を持った、ニンゲン?
「何ってなぁ。あほちゃうかって、言うたんやけどね。」
その少年は、起き上がって、あたしのほうに向かって、あぐらをかき、そう言った。
あたしの足は、自分でもわかるほど、足が震えていた。
「そのまま、足踏み外したら、あんた、死ぬで」
あたしは、不安定な足元を見て、そうして再び、少年を見ようとしたが、バランスを崩し
た!!!!自分の上体が、ぐらっと大きくゆれ、足がわふっと軽くなるのを感じた。
だが…!
「ほ~ら、言わんこっちゃない。手間かけさせんなや」
足が軽くなると同時に、体が軽くなっていた。
足の下には、もう、何も存在していなかった。
「何…??誰…???どうなってるの…????」
「何…の答えはなぁ。あんたに見せたいもんがあってきたんや」
今度は、あたしの上から、声がした。
「誰…の答えは、まぁ、名前を言うと、ピーターパンってとこやな」
「くぴるぴ★」
「こいつは、ティンカーベル」
「るるる★」
目の前に、鳥のような、人形のような…え、え、え、え、え…?!
あたしはもう死んでしまったのかと思った。
ピーターパンの話は読んだことがないけれど、知ってるよ。なんとなく。
ウェンディがピーターパンとティンカーベルとネバーランドで冒険する。そう、大人にならない国で。あたしは、そんな非現実的な話、き・ら・い。人間って、大人になるものでしょ。大人になるために、勉強したり自分を磨いたりしないといけないわけでしょ。確かに、いやいややってる雰囲気はあるけれど、そもそも、大人にならないなんて、ばかげてる。ニンゲンは成長が止まることなく、大人になる。そんな考えを持っている現実的なあたしが、どうしてこんなモンを見なくちゃいけないのよ。
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