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『…………あ…れ?』
「…何日ぶっ通しで寝てんだテメェは」
『………生きて…る…?』
「たりめーだろ…アホが」
ぶっきらぼうに返される返事は不機嫌に聞こえなくもない
てか誰?
部屋を包むのはタバコと嗅ぎなれてない香水の香り
でもこの香り…私知ってる…
夜が似合うと思う
大人の香り
起き上がろうと試みたけど
グラグラする頭と重い体をどうする事もできない
てかここどこ?
誰かの家のようだけど…
視線だけ動かして声の主を探してみたけど
すぐ近くにはいないみたい
私が眠ってるのは枕が一つだけのセミダブルくらいのベットで…
体はふわふわの毛布と布団に包まれてる
腕に微かに痛みを感じ視線を向けると点滴の針が刺さっていた
セックスする以外でベットで眠るなんてどれくらいぶりだろう?
安っぽいラブホの寝具とは違ってとても寝心地がいい
ベットの向かいには大きなクローゼットの扉が見えた
もう少し視線を遠くに向けてみる
カレンダー一つ飾られてない真っ白な壁
生活感がまるでなく
広くてどこまでも殺風景な部屋は一瞬病院かと錯覚するほど
そして白い大きなソファー…同時に見えたものに心臓が大きく波打った
私に背を向けて座り
タバコの煙を吐き出してるのは死神だ
何で…?
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