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二週間後、ダンも医務室生活を終え隊に戻る事になった。
兵舎の自室に戻り、着替えを済ませて副団長のもとへ向かった。
高級そうな木製のドアをノックする。
「ダン小隊長、只今復帰しました。」
そう言うとダンはドアの中へ入る。
「うむ、体調に変わりは無いか?」
いぶし銀と言う言葉がよく似合う男がダンの所属する第二兵団・団長のギルバートであった。
軽い挨拶を済ませ本題に入る。
「また、現場復帰早々で悪いのだが、宝玉の安置までの警備と護衛の任についてもらう。」
宝玉は普通安全な場所に置くのが一般的な流れだ。
自国に宝玉がもたらされたのは今回が初となる。
ゆえに安置場所も慎重に選ばれ、領土内の洞窟に祀られる事になった。
洞窟までの運搬作業中に他国によって宝玉が奪われる事も考慮し、護衛も多くつけるそうだ。
もちろん病み上がりではあるが、天使戦で兵力が疲弊している事を考えると自国防衛と宝玉運搬にさける数は限りがある。
とても休んではいられない。
ダンは運搬部隊に合流する仕度を整え、急ぎ宝玉のもとへ向かった。
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