第二章~英雄の資格~

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ファウストはスッと見渡す。 生き残った兵達。 ファウストは覚悟を決める。 「ダン、兵達を・・・俺の仲間を頼む・・。」 「な、お前も」 ダンは言いかけてやめた。 天使との戦いの際に自分もした覚悟、ファウストの目からはそれが読み取れた。 ダンは振り返り兵をまとめ撤退した。 無言の撤退。 残ると言う兵も無理矢理に連れ急ぎ最前線を離れた。 安全圏まで逃れ、ダンは休息を取るよう兵達に命じた。 「みんな聞いてくれ。」 ダンは静かに続けた。 「生きて国へ戻ろう。」 「全員だ。」 「だがあと一人足りない。」 ダンは兵達を見渡す。 「俺は今からファウストを助けに行く。」 「だがお前達はここに残れ!」 兵達は一斉に反論するがダンは一喝した。 「これ以上お前達を!・・・ファウストの仲間を死なせる訳にはいかない。」 「必ず・・・生きて連れて来る。」 ダンはそう言うと走り出した。
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